民泊でのゴミの収集分別 過酷です
2018年12月12日
こんばんは。
JPRESERVEの宮本です。
既に今年の6月以降ににわかに始まったゴミの収集・分別について。
現在、多くの民泊事業者が取集契約を急ピッチで進めています。その中で、産業廃棄物の分別、収集の現状について書きたいと思います。
民泊の経営には自社での経営、代行でどうあれ、一般廃棄物と産業廃棄物の契約が必要です。産業廃棄物一本でされている所は、いわゆる「生」が混ざった物は今後、どんどん受取り拒否になっていくと、私は収集業者さんから言われています。
かなり省いて記載しますが、自社経営の場合は民泊施設から一般廃棄物と産業廃棄物を持ち帰って自社の事業所等で集中的に分別を行うことが可能です。
持ち帰り可能なのは、資源としてリサイクルする、資源ゴミ(缶、ペット、美しい紙類)。代行経営の場合は、一般廃棄物と産業廃棄物は現地で収集をかける他ありません。
(※積み替え保管の許可を持つ企業様なら大丈夫。ですが、この許可は本当にしっかりした専業の収集業者様でも取れません)
つらつら書きましたが、この産業廃棄物、いわゆるテレビとか家電とかではありません。もっと身近な物なんです。それは、コンビニ弁当、ビニール袋等々のプラスチックです。一般廃棄物にリサイクル可能な紙が混ざっていたときが最も注意が必要なのですが、それは簡単です。この廃棄プラスチックが強烈に厄介で過酷です。
旅行者は日本に来て、民泊に来てどうするかと言うと。楽しみにしているコンビニで食事を購入し、家で皆さんで食べたり。日本のスーパーなどで食品を購入し、ホテルでは絶対できないアットホームなディナーを楽しむことが一つの目的であります。
おわかりのことと思いますが、この汚れた業界通称「生」が入った廃プラは産業廃棄物では回収できないのです。
どうするかというとこうします。
(これは自社経営民泊で出たゴミを当社本社へ持ち帰り、分別、洗浄している様子です)
・ゴミを広げ、一般廃棄物、生のついた廃プラ、そのまま捨てれそうな廃プラ、リサイクル紙に分けます。最初はゴム手袋やトングを使っていましたが、時間がかかるので私は素手です。他のスタッフの方には感染症の恐れもあるので必ずゴム手袋をして頂きます。
・そして、汚れプラを洗浄します。洗濯用洗剤アリエールをうすめて入れたバケツに浸し、水につけて汚れを落とし、ブラシで洗浄します。
・ラーメンリキッドの入った袋プラなどは非常に手間が必要で、小さなブラシをつっこんだり、キッチンペーパーなどで油汚れをふき取ります。
・洗い終わった美しい廃プラ達(売ってもいいと思えますが)。残念ながらこのまま産業廃棄物として処分します。
当社では8割が完全分別・ゴミの洗浄にお客様が取り組んで下さいます。(レビューは炎上しています・・・、高い評価もありますが。。)残りの2割のお客様は何かしらの分別に取り組んでくださいますが、中には全くやる気の無いお客様もいらっしゃいまして、その時の様子です。
◆どうして、ここまでする必要が?さらに厳しいのは代行施設です。
恐らく、この内容が収集事業者さんと2か月に渡って協議し、ノウハウを蓄積した京都市の事業ゴミ、特に民泊における完全分別です。上記には記載していない電池、電子ライターなどリスクの高いゴミの分別も対応が必要です。
御覧頂いた方は驚くことでしょうが、これがしなくてはならないことなのです。
さらに厳しいのは、代行施設です、これを広いスペースでやろうと思うと、風呂場、台所、はては家の前でゴミを広げるなどが必要になるケースも出てくるのです。持ち帰って分別をするには、ゴミの収集運搬、積み替えの許認可が必要。ライトな産廃運搬のみではダメなんです。
一般廃棄物の収集価格はリーズナブルなのですが、産業廃棄物は来るだけで1回、5,000円~。施設のベランダや屋内のスペースにひたすら産廃をためて行くBOXを1,000リッター分は用意しないと回収コストを下げれません。
◆実際にやっているのは・・・
民泊では皆無と言っていいかと思います。一部、高級路線の町屋ではこのような取り組みを逆に売りにしている施設もあると聞いたことがあります。
京都駅周辺のホテルでは50%位が専門従業員を配置するか収集運搬事業者に依頼してゴミの仕分けだけ依頼するなどして対処していますが、残りの50%は一般廃棄物に混ぜてリスク承知で収集運搬させています。大型ホテルでさえ、このような状況です。なのにこんな民泊が(笑)
このゴミの収集運搬、完全分別を代行管理で運営している施設の「現地」で行うには、きちんとしたゴミのリテラシーの知識とノウハウを持った専門のスタッフが最終的には仕上げる行程が必要不可欠な為、清掃スタッフでは困難な業務となり、否応なしに別途人員の費用が必要になります。収集運搬契約の5,000円か6,000円を負担すれば良いという訳では終わらないのです。また、施設にはあらかじめ、7種程度のゴミ箱を用意し、お客様にも事前に説明し、せめて、種類だけは分けて頂き、汚れた生物を一般廃棄物以外のBOXへ決して混ぜないようにご協力を頂かなければ、とても出来る状態にはなりません。かなりの対応コストを必要とする業務です。
このゴミの分別を始めることがきっかけで、当社の運営管理から他の会社へ切り替えられたオーナー様もいらっしゃいます。。そして、対面チェックインの時と同様、他から笑われているような始末。
・一般廃棄物の処分所で、収集業者によって廃プラが入っている状態でも受け入れるか受け入れないか選択の余地があるのを、やめてほしい。
・収集業者はオーナーのリスクになるのを知っていて非分別のゴミを運ぶのをやめてほしい。そして、オーナーに簡易な分別で通常よりも高価な手数料を徴収して業務をしないでほしい。
私がお付き合いしている産業廃棄物の収集運搬、積み替え保管を持っている事業者さんは夕方5時頃、全従業員さんが廃プラのゴミ山を全員で汚れプラをはねて仕分けしています。その光景は本当に悲しいものがあります。
きちんとしている方々が、圧倒的に費用もかけて損をし、収益もダウンする。
もう、ええかげんにして欲しい。
もともと民泊を行う時点で収集・分別に配慮した構造を検討する必要があるのは分かっていますが、にわかに始まったこの取組みです。せめて、自社の管理施設に持ち帰って分別し、収集できるようになってほしいなぁ・・・・
というわけで、ゴミの洗浄のプロとなりつつある今日この頃でした。
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