民泊でのゴミの収集分別 過酷です

こんばんは。

JPRESERVEの宮本です。

既に今年の6月以降ににわかに始まったゴミの収集・分別について。

現在、多くの民泊事業者が取集契約を急ピッチで進めています。その中で、産業廃棄物の分別、収集の現状について書きたいと思います。

民泊の経営には自社での経営、代行でどうあれ、一般廃棄物と産業廃棄物の契約が必要です。産業廃棄物一本でされている所は、いわゆる「生」が混ざった物は今後、どんどん受取り拒否になっていくと、私は収集業者さんから言われています。

かなり省いて記載しますが、自社経営の場合は民泊施設から一般廃棄物と産業廃棄物を持ち帰って自社の事業所等で集中的に分別を行うことが可能です。

持ち帰り可能なのは、資源としてリサイクルする、資源ゴミ(缶、ペット、美しい紙類)。代行経営の場合は、一般廃棄物と産業廃棄物は現地で収集をかける他ありません。

(※積み替え保管の許可を持つ企業様なら大丈夫。ですが、この許可は本当にしっかりした専業の収集業者様でも取れません)

つらつら書きましたが、この産業廃棄物、いわゆるテレビとか家電とかではありません。もっと身近な物なんです。それは、コンビニ弁当、ビニール袋等々のプラスチックです。一般廃棄物にリサイクル可能な紙が混ざっていたときが最も注意が必要なのですが、それは簡単です。この廃棄プラスチックが強烈に厄介で過酷です。

旅行者は日本に来て、民泊に来てどうするかと言うと。楽しみにしているコンビニで食事を購入し、家で皆さんで食べたり。日本のスーパーなどで食品を購入し、ホテルでは絶対できないアットホームなディナーを楽しむことが一つの目的であります。

おわかりのことと思いますが、この汚れた業界通称「生」が入った廃プラは産業廃棄物では回収できないのです。

どうするかというとこうします。

(これは自社経営民泊で出たゴミを当社本社へ持ち帰り、分別、洗浄している様子です)

・ゴミを広げ、一般廃棄物、生のついた廃プラ、そのまま捨てれそうな廃プラ、リサイクル紙に分けます。最初はゴム手袋やトングを使っていましたが、時間がかかるので私は素手です。他のスタッフの方には感染症の恐れもあるので必ずゴム手袋をして頂きます。

 

・そして、汚れプラを洗浄します。洗濯用洗剤アリエールをうすめて入れたバケツに浸し、水につけて汚れを落とし、ブラシで洗浄します。

・ラーメンリキッドの入った袋プラなどは非常に手間が必要で、小さなブラシをつっこんだり、キッチンペーパーなどで油汚れをふき取ります。

・洗い終わった美しい廃プラ達(売ってもいいと思えますが)。残念ながらこのまま産業廃棄物として処分します。

当社では8割が完全分別・ゴミの洗浄にお客様が取り組んで下さいます。(レビューは炎上しています・・・、高い評価もありますが。。)残りの2割のお客様は何かしらの分別に取り組んでくださいますが、中には全くやる気の無いお客様もいらっしゃいまして、その時の様子です。

 

◆どうして、ここまでする必要が?さらに厳しいのは代行施設です。

恐らく、この内容が収集事業者さんと2か月に渡って協議し、ノウハウを蓄積した京都市の事業ゴミ、特に民泊における完全分別です。上記には記載していない電池、電子ライターなどリスクの高いゴミの分別も対応が必要です。

御覧頂いた方は驚くことでしょうが、これがしなくてはならないことなのです。

さらに厳しいのは、代行施設です、これを広いスペースでやろうと思うと、風呂場、台所、はては家の前でゴミを広げるなどが必要になるケースも出てくるのです。持ち帰って分別をするには、ゴミの収集運搬、積み替えの許認可が必要。ライトな産廃運搬のみではダメなんです。

一般廃棄物の収集価格はリーズナブルなのですが、産業廃棄物は来るだけで1回、5,000円~。施設のベランダや屋内のスペースにひたすら産廃をためて行くBOXを1,000リッター分は用意しないと回収コストを下げれません。

 

◆実際にやっているのは・・・

民泊では皆無と言っていいかと思います。一部、高級路線の町屋ではこのような取り組みを逆に売りにしている施設もあると聞いたことがあります。

京都駅周辺のホテルでは50%位が専門従業員を配置するか収集運搬事業者に依頼してゴミの仕分けだけ依頼するなどして対処していますが、残りの50%は一般廃棄物に混ぜてリスク承知で収集運搬させています。大型ホテルでさえ、このような状況です。なのにこんな民泊が(笑)

 

このゴミの収集運搬、完全分別を代行管理で運営している施設の「現地」で行うには、きちんとしたゴミのリテラシーの知識とノウハウを持った専門のスタッフが最終的には仕上げる行程が必要不可欠な為、清掃スタッフでは困難な業務となり、否応なしに別途人員の費用が必要になります。収集運搬契約の5,000円か6,000円を負担すれば良いという訳では終わらないのです。また、施設にはあらかじめ、7種程度のゴミ箱を用意し、お客様にも事前に説明し、せめて、種類だけは分けて頂き、汚れた生物を一般廃棄物以外のBOXへ決して混ぜないようにご協力を頂かなければ、とても出来る状態にはなりません。かなりの対応コストを必要とする業務です。

このゴミの分別を始めることがきっかけで、当社の運営管理から他の会社へ切り替えられたオーナー様もいらっしゃいます。。そして、対面チェックインの時と同様、他から笑われているような始末。

・一般廃棄物の処分所で、収集業者によって廃プラが入っている状態でも受け入れるか受け入れないか選択の余地があるのを、やめてほしい。

・収集業者はオーナーのリスクになるのを知っていて非分別のゴミを運ぶのをやめてほしい。そして、オーナーに簡易な分別で通常よりも高価な手数料を徴収して業務をしないでほしい。

 

私がお付き合いしている産業廃棄物の収集運搬、積み替え保管を持っている事業者さんは夕方5時頃、全従業員さんが廃プラのゴミ山を全員で汚れプラをはねて仕分けしています。その光景は本当に悲しいものがあります。

きちんとしている方々が、圧倒的に費用もかけて損をし、収益もダウンする。

もう、ええかげんにして欲しい。

 

もともと民泊を行う時点で収集・分別に配慮した構造を検討する必要があるのは分かっていますが、にわかに始まったこの取組みです。せめて、自社の管理施設に持ち帰って分別し、収集できるようになってほしいなぁ・・・・

 

 

というわけで、ゴミの洗浄のプロとなりつつある今日この頃でした。

 

駆けつけ要件の 撤廃要求?

こんばんは。

JPRESERVEの宮本です。

 

久しぶりに最近の京都市の民泊動向はどうかな?と思い、インターネットを見ていました。

古い記事なんですが、何か論点が違うなと思った次第です。

https://this.kiji.is/407170000869262433

 

駆けつけ要件が厳しくなったのは、法令通りにきちんと運営せず、投資材料として各々がブレーキを踏まなかった業界全体が悪い。それは曲げられない事実です。

赤信号をみんなで渡っていたことをまず自らを鑑みて反省しかるべき。赤信号守ってますけど、ちょっと赤信号の時間長すぎちゃいますかね?必要以上に待たされるし、そこまで必要では無いですよ。事故や近隣からの通報も無いし、現にみんなそれは必要無いと言っていて・・・署名も持ってきました・・・ホラね!

 

やってからの主張だと思います。

 

そしてまだまだ赤信号を渡っている方は、文句を言うべきことでは無いと思っています。

山の手線のドアが駆け込み乗車の弊害により、ドアを強制的にしめるようになりました。守らないおたくらが悪い。そういうもんだと思います。

 

しかし、法令を遵守し頑張って努力して守ってきていた組織なら言えたことがあったかもしれません。

 

それは、旧来の法令で保証されていた権利が法令によって奪われている人がいるということです。

例えば、当社では、もともと旧要件で運営し、地域住民から歓迎されお花を植えてくれるような施設があります。

しかし、そこはポツンとした住宅街で主要な駅からも離れており、「え!こんなところに」というぐらい、本当にポツンとした民泊があります。

利益だって薄利です。しかし、5年、10年を見て長い目で経営をしていくことを前提にして経営を委託している素晴らしいオーナー様が当社にはおります。

 

他の事業者が絶対対面チェックインなんかしたら儲からんやろ!と笑われる時でも、それを実施することに賛同されましたし、24時間監視にもお金を使ってきました。そして、何よりも、地域への貢献も、実働だけではなくお金も使っているんです。他の民泊が町内の離れた所にあって、連絡が取れないからどうにかならないか?など、地域からの相談にも何度も乗りましたし事業者にも掛け合いました。行政にだって協力も仰ぎました。

迷惑行為も起こさず、京都の民泊のイメージとかけ離れた優良な施設であることで周囲に認知されている施設が、旧来の法に則って運営することで十二分に周りから愛され、そして法令で保証されていた権利が奪われるのは、どうなるのでしょうか?ほんと、このオーナーさんの気持ちになるとやるせないですよ。

 

京都中の民泊がこういう誰から見てもきちんとしている状態なら、この駆けつけ要件の撤廃の主張なんて絶対に通ったはず。というか、条例改正が無かったでしょう。

これは明らかに旧来の法令で頑張った施設が、権利を奪われていると感じます。守っていない人だけに適用してほしいと正直、オーナーさんは思っています。

 

しかし、悪いことに、少数が法を一生懸命ルールを守り、多数が法令の穴や整備されていないことを知りながらやってきた。

人材派遣は昔は違法でした。しかし、女性の社会進出や社会の情勢によって合法化されてきました。それとはまったく主旨の違うことです。「旅行者増えてるし世界的な情勢がそうなってんねんからガンガン行く!!京都市は空き家対策で民泊応援してるんやから、絶対なんも言わへんよ!」という風にあたかも行政が応援していると勘違いしてしかやってこなかったですよね。実際に、去年の9月頃とか、色んな場所でそういうことをいろんな場面で聞きました。そして、「おたく対面対応してんの!へぇ~すごねっ」と鼻で笑われてきました。「ただ、早く民泊の許可とらんと周辺説明が義務付けられるから、10月までに許可とったもんがちやで!」と言って、去年の夏位に色んな物件をねじ込んで売っているのを横でしら~っと聞きいたりもしました。皆さん、息巻いていた頃を思い出してください。。。。思い当たるでしょう?こうなると思っていなかったでしょう?

 

法令を守るには人員の配置が不可欠で、要は皆、収益だけを追い続けてきた。

迷惑行為を起こしていて、現在も法令を守ってない(可能性がある)のであれば、こんな主張をされても、そりゃ誰だって聞きませんよ。よくこれが新聞記事になったなと。と、個人的には思います。報道されるかたも内情や法令の表面的なことしかわからないので仕方ないのですが、社会全般的な見方で大阪や東京、ひいては日本全体を見るとそう書きたくなるのもわかりますが、よくよく調べる人が調べれば・・・おわかりでしょう。足を運んで実際はどうなのか調べてレポートすれば法令違反が日常的な業界であることが伺えます。あまりに量が多いので、それが社会一般的な通例・・・として捉えてしまうのは致し方ないかもしれませんね。

 

当社で働く中国人スタッフが言ってました。中国人と似たような考え方を持つ人も日本にはいるんですね。。中国には法律を真面目に守るのはバカだということわざがあるように、起業家や一般の企業でも根底にこの考え方があることが多い、いかに法の隙間を通っていくかを優先して考える風潮があるし美徳である。今の京都の民泊を取り巻く人間はそれに似ているし、もちろん中国人もそれに乗って商売をしていますが、やってることは似ていますね。宮本さん。宮本さんの会社だけ損してないですか?

 

京都の業者なら、売買の可能性がある物件には、周辺も含めて年始やことあるごとに手土産持参して顔色伺いします。分厚いタオル持ってきます。今からそれを民泊の回りでも、もう一度してみたらどうなんですかね。なんで、去年の10月に切り替わるチャンスがあったのに掴まなかったのか不思議です。充分時間もお金もあったでしょうに。テレビの報道を第1号で起こした時に気づけばもっと良かったでしょう。

笑い返したい訳では無く、もう遅いかもしれませんが、2020年の3月までにもう一度、京都に頭を下げて、立ち返ってやってみませんか?きっと京都らしい民泊があるはずですよ。

条例改正によって物理的な制約がつきましたが。旧条例で定性的だから守っていないこと、守っていないことが行政にも住民にもわかりにくいことを、もう一度見直し、私達のポリシーとして皆でやってみませんか?私達が民泊の素晴らしさをもう一度再認識させるんだという意識の切替でやってみたら、そしたら京都の皆さんも、もう一回見直してくれるかもしれませんよ。

簡単なことです。18時で従業員を帰さず、もう1ライン組織のコアタイムを設けましょう。宿直・・・しましょう! 緊急連絡先・・・絶対繋がるようにしましょう!(繋がらなくても折り返しできるように転送を沢山かけましょう!)

セルフチェックインの素敵な端末。撤去しませんか?結局、そのチェックインのお手伝い、住民さんがしてるんです。

 

 

届かぬ思い、届いてほしいな~

 

 

と、思った次第でした。