民泊での新型肺炎(コロナウィルス)対策、施設外帳場ラッシュ、そして廃業・・・等々
2020年02月21日
皆さんこんばんは。
JPRESERVEの宮本でございます。
潰れたのか?元気?など、多方面よりお問合せ頂きました。「しぶとく生きてます」。そして今日は無理やりにでも書くと決めていたこちらのブログを更新させて頂きます。また、どうしようもないことばかりですが。まずは時事的なコロナウィルスと民泊の対処、たぶん当社の対応がどのような物だったか気になる方も多いはず?対面という法令を守ることを徹底的にやっている当社では強烈なリスクが有る(有った)。ということをこんな所で感じるとはまさに思いませんでした。
それでは、今日は長文ですがお付き合いください。
■コロナウィルス(新型肺炎)への対処や現状など。
当社では1月15日頃より中国人の従業員が今大変なことになっているということから問題を認識。まさかこんなことになるとは到底想像もつきませんでした。武漢、湖北省などなど、皆さんを直接対面で、送迎なども含めてお出迎えします。そうです、法令を遵守するための対面チェックインです。この時ばかりは完全セルフチェックインにいつでも切り替えれるよう本気で考えましたが、幸いにも従業員の皆が本当に危険な状態でしたが、徹底した対策に協力して対応してくれました。本当に本当に感謝しかありません・・・
即マスクを2000枚注文(全員分で1か月程度)。まだ、通常の価格で買えました。また、もともと清掃時に消毒用で利用している人体無害のドーバー・パストリーゼ(これは本当に最強!)の一斗缶を2本(約35L。半年分)、ゴム手袋1,500枚を購入、すぐに全配備の準備とオペレーションの変更に入りました。
(カスタマーアテンダントチーム)
・全てのチェックイン時にマスク着用
・対面チェックイン後には77%アルコール(ドーバー・パストリーゼ)で全身消毒
・送迎車両のシートなど前後での消毒。
・超加湿空間とぽかぽか事務所を常時維持
・滞在前の体温、風邪の症状などヒアリング、対面時におかしな状態があればすぐに臨戦態勢
・する子もいました。。。お客様にも全身消毒(これは理解を頂けるお客様に。でも逆に喜んで頂けることも。)
(清掃部門)
この時は、クリーニング業(運搬ですけど)の申請しておいて良かったな~って思いました。指定洗濯物などの厳重な取り扱いと、消毒に取り組みました。
・全て清掃時にマスク、ゴム手袋の着用
・指定洗濯物(タオル、トイレマットなど)やシーツに触れる前にアルコール散布し、その後撤去する。ビニールでふうをする。
・ベッドや、布団、枕、水回りなどへのこれでもかという程アルコールスプレーの散布を行う。怪しいところはアルコールしすぎてベタベタになっても良し!
・清掃時の換気
・リネン類の運搬時においてもマスク、ゴム手袋、リネン袋などに移し替える際の再消毒
・清掃終了後にはアルコールによる全身消毒
という体制を取りました。。。
今のところは、体調不良者も無く、なんとかやっていけています・・・
かなりメディアが騒ぎ始めるより前に、各オーナーにも対処を打診させて頂きました。何も言わずに協力頂けるのであればまだいいのですが、この消毒やマスクなどの配備はおろか、この危険な状況においても法令を遵守し、働いている人間に対しての感情を理解しているんでしょうか。当社が管理をし、清掃が別で行われる物件があるのですが、清掃担当者へのアルコール配備や、特別な配慮をすべきと打診をしても、我関せずの態度をとるオーナーはやはりいました。コロナウィルスで皆が売り上げで苦しいなか、まず、現場でリスクを抱えて事業を運営している人やその家族や子供の心情を考えられない。依頼を受けている清掃会社もさすがに怒ったようで、3月で私共の施設外帳場から他の安い施設外帳場様へ、そして清掃会社も変わられるとのこと喜んでお受けさせて頂きました。
それと、京都では名の知れた清掃会社、往年の格闘家の名前が一部ついている会社さんは、ファブリーズでシーツを使いまわすことが有名です。きっとこれらの感染症の蔓延や、従業員へのリスクは非常に高い状態・・・。コストをかけて安全対策を行っても、行政も見ないし、市場価格にも反映しない。。。本当に残念な業界です。
最近ではアルコールの調達も難しくなり、人にはアルコール、物にはハイター消毒液を導入することにしています。ゴーグルも新たに配備。しかし、アルコールが調達出来なくなった時には皆の安全を守って営業出来ないと思っていますので営業停止するほか無い予定です。通常であれば半年くらい持つアルコールの量ですが、減り方が早い・・・もってあと一か月半かなと思います。そのため、貴重なアルコール消毒液を人体のみにするためにこんな施策もしています。
全スタッフに配布したハイター消毒液の作り方と、全身消毒はアルコールの周知文書。本当にここまでになるとは思いませんでした・・・
本当に綱渡りです。。。良くここまで営業続けられるな!と言われることもありますし、心配になられた近隣住民様が飛び込んでくることもしょっちゅうです。施設前にWelcomeボードで国籍を書いていますので。そんなときには丁寧に丁寧に当社が取っている対策をご説明させて頂いています。また、今、日本に滞在する中国人のお客様は帰りたくても帰れないのです。。すでにクレジットカードの限度額も上限に達し、親せきにお金を送金してもらってほそぼそと時が経つのを待っています。子供たちの顔は暗く、お父さんお母さんも本当に疲れ切った表情です。その気持ちも汲んであげたい。周辺の住民様にも支えられています。
弊社での一番の危ない時期は1月15日~25日の春節観光客にありました。15日~対策を開始した20日頃までの対策が行き届いた(と言ってもノロウィルス対策レベルですが)5日間が最も危険だったタイミングでした。ですので、2月の上旬に当社内で感染者が出る可能性が非常に高かった・・・・今は感染源に多くの接点を持つ機会も95%程度減少(すなわち中国のお客様と他の国のお客様の比率がこの比率位に入れ替わっているわけですが)しているので、今の徹底した対応を続けるだけ。。。。
実感してわかりますが、封鎖の対処で私共のリスクが大きく減ったのは強烈に実感できるレべル。今、政府が水際対策が甘かったと批判されていますが、20日以前の水際対策をどの国が取れていたでしょうか。私からすると、1月20日の時点で、現在の対応レベルまで持っていければ違っただろうなと思いますが、そんなことを出来た国は絶対に無いでしょう。中国の方をこれだけ受け入れて潤っている国は無かったはずですから。当然の結果に繋がったと思えます。
外国人向け医療機関の受診案内や、リーフレットなど、2月上旬に配られましたが、この時には対象者は来れない状況になっていたので、致し方ないですが今更しても意味があんまりなかったなというのが現場で湖北省や武漢の方たちを細心の注意を払って対応していた僕たちの感想です。
それでも頑張っていると思います。他の国と違って量が違いますから。
でも、このまま続くと、本当にお店を閉めなければならない状況になってくるというのは間違いありません。
マスクも、アルコールも届かない・・・・
マスクは毎日9時にイオンモールに行って少しづつ買って、皆に配布しています。見るからに転売ヤーがうようよいて・・・本当にさみしい気持ちになります。
さてここからはこんな状況になる前の話題をアーカイブしていきます。今の状況下では半ばどうでもいいことが大半ですね。だからこそ、物議を醸しだしそうな話題もちらほら。本当は春節明けに書こうと思っていた内容です。
■施設外帳場ラッシュ 基本無人の施設外帳場ってなんなの?1類とかって?
私も11月、12月、1月は4月からの法令の厳格化に合わせてそりゃもう頑張りました。(なんとか4月以降、施設外帳場を運営しながら、現在の体制で運営できると思っていた矢先にコロナ・・・でしたが)許可申請、構造変更、消防法令適合通知書の取りなおしなどなど、本当に信じられない数を普段の業務をしながらよくやっていたと思います。
(施設外帳場付きの簡易宿所で必要不可欠なカメラの取付とチェック模様)僕もたくさん管理物件増やすために頑張っていたのです!
まあ、色々と私も周囲の動きは見させていただきました。本当にこのままでいいのか京都の民泊はと思うことばかりです。端的に色々と問題点を書こうと思います。
▶施設外帳場対策は旧来条例と一緒、構造だけ満たせばOKって考える事業者ばっかりになってますよ!
施設外帳場に常時いない。簡易宿泊所の帳場の構造と全く一緒です。この体制をとっている会社のいかに多いことか。そりゃわかります。この帳場をやろうと思いますといきなり90万をドブに捨てないといけません。民泊の性質からは大きく離れているのは致し方ないことではありますが。。。結局、良くなっていない。一部の頑張っている事業者がきちんと人を置いて、体制を整えて。。結果、市場の競争は脱法によって平等になっていない。
▶いつのまにか、常駐の体でOKですか?
施設内に帳場を設ける施設は、そこに、管理者が滞在、宿直できる機能としてトイレが設けられることや、寝るスペースが必要であることが当初指導されていました。今では、類型照会制度も始まり、1類(常駐をする施設)の構造を持っている施設(実際に運営面で人がいるかどうかではない、許可上では問題無し)であることが政府が証明しはじめました。この1類の証明書さえあればAirbnbの非掲載措置を免れるので、非常に多くの脱法施設がAirbnb掲載の免罪符を手に入れて、もう、施設外帳場を割り当てようとする気が無い人、ものすごく増えています。条例改正で真面目にしようとする人や事業者は撤退や施設外帳場の適用をどんどん進めていますが、厚かましい人は、「1類だけとりあえずもらっといて指導されるまで今のままで行こう。」って考えています。つい昨年末には「15件まとめて受けてください!助けて下さい・・・お願いです」と言ってきた事業者が、「今は何も対処せずにうやむやに続けていっても大丈夫みたいだからそれで進める。」みたいです・・・・。
旧来の帳場条例と一緒の方向性で、また政府と事業者のばかしあいが続く。事業者の間ではどんなことが指導をうまくすり抜けるポイントかの話題で持ち切りになって、つまんない業界にまたなるんだな~ってつくづく感じてしまいました。
京都市の民泊はもう自浄作用を持つのは無理なんでしょう。以前より迷惑行為や、住民さんとの軋轢は減っているので一応の条例改正や指導体制の構築で行政側の施策効果大きく出ていると思います。しかし、本当に地域とともに歩み独自の良さを誇る京都らしい民泊業界。これを私達で作っていく自浄作用のある業界になることを考えたかったけど、もう、同業者を見ていてどうでもいいかなって思い始めました。自分自身の独自の路線でやっていくしか無いんだろうなとあらためて強く感じています。
また、類型照会制度で一番守ってあげないといけない町屋特例を受ける施設だけは、1類に逃げることもできず、法令に完全適合させるしかないという抜け道も無くなっています。段階的にすこしずづ是正をさせていくべき守る対象と、すぐにでも是正しないといけない対象が逆転しましたよね。。
▶それと逃げるな。だますな。
集合型簡易宿泊所、簡易宿泊所で建物立てて、利回り保証のサブリースでっていうかぼちゃの馬車みたいなことしている奴らへ。きちんと最後まで責任取ってくれ。こっちは迷惑してますよ。祇園で遊ぶな。コロナウィルスで逃げ口実に安堵しないで、あなたたちの仕事、1年位前から空洞化してたんだから。
特定行政書士の方へ、1類での抜け道方法を講習会で言うな。関係無い余計な相談ばっかり入ってきたので、ポスティングやめてくれませんか?逆に謝罪ポスティングしてほしい位です。ホンマええかげんにして。
■地域に惜しまれつつ廃業した弊社の簡易宿泊所 JPRESERVE Biwa
当社の直営施設であるJPRESERVE Biwaが1月30日で廃業しました。最後のゲストが帰る日には、近隣の方が見送ってくれるという・・・
最後のお客様も満面の笑みで帰って行かれました。チェックアウト後の楽しそうな風景も送ってくれました。本当にいい経験をさせてくれた施設でした。
近隣の方が2年間かけて育ててくれた看板の周りの「つた」。最終的に捨てれなくて、今の当社の事務所の前にも飾っています。皆さんから、会社を大きくしてまた、ここで施設をして!私達も良い経験で、ちょっとした楽しみがある毎日だった。と言われたときはうれしかったです。そして多くのゲストも口をそろえて言いますが、この家はなんの変哲もない家だったけど、本当の京都や日本のローカルな人たちの中でゆっくりと安心して過ごすことができる体験だった。本当の日本の普通の家を体験できた。と多くの方が口をそろえて口コミをしてくれました。忘れられない思い出深い施設でした。毎回、チェックインとチェックアウトの再には私が必ず送迎したこともあり、毎回、帰る時には温泉宿でゆっくりダラダラ過ごした元気いっぱいの状態?でチェックアウトしていってくれました。ゆっくりできたんだろうな~と毎回後ろ姿を見送っていました。
昨年の2月13日に保健福祉局 医務衛生課に記録として残る形で(メールや他の方法でも)。出来る出来ないにかかわらず回答をください。本当は当月中に返信が無ければマスコミにこの内容を送信します。と言って1年経過しました。僕も本当に行動をとらなかったことが悪いし、行政の皆さんを思いやったつもりでした。できればやめてほしいと言われたのもありました。
ですが、ホテル建設ラッシュの流れと供給過多の流れは変わりませんし。。。廃業する必要も近い将来的にあったので、苦渋の決断ですが廃業し、廃業申請をした後でこれは書こうと決めていました。
地域に愛され、大切にされた施設を当社は失いました。地域の方が皆で見守ってくれ、旅行者との会話をしたいので語学も少しですが勉強したり・・・ちょっとおかしいことがあればお互いに連絡をすぐに取り合い、不安を解消してきました。地域にだって少なからず自治会の維持、区民運動会などわずかですけど経済的な効果だってありました。本当に京都市が描く、安心安全で地域と調和していた素朴な民泊そのものでした。本当にこの施設を無くして良かったんですか??
もう施設の中身はありませんが、僕の書いた要望書は引き出しの中にありますかね?
■年末年始のトラブル
割れる!詰まる! ホントこればっかり! ・・へとへとでしたよ。
こちらは、被害総額60万円弱になりました。年末前のお客様が、ガラスの床をどうやって割ったのか・・・割りまして。年末年始を挟んだお客様をリロケーション約30万ほどの宿泊費!修理代、正月から10万位!そして宿泊で得られるはずの25万円損失。
至上最高額の損害でした!
引き戸ガラスなんか、1週間に1回はどこかの施設で割れてましたね(笑)
これまでできませんでしたが、アクリルパネルでの応急処置とか全然できるようになりました。ガラスさえ切ってもらえたら、ガラス交換だってできます。
もう私は多少の配管のつまりや、便器の取り外し交換だって出来るようになりました!そんな時に現れるのが、町屋の陶管が地盤沈下で汚水が建物の下に滞留するという事案。これは直せませんでした。ポンプ車がジェット洗浄機で配管をかきだし、中の配管の中にもカメラを入れるほど!
・・・洒落にならない大ごとばっかりつづきましたが、極めつけにコロナでした・・・・
■最後に・・・
当時はものすごくうれしかったですが、スーパーホストを継続、当社の場合はAirbnbで20件程度を1アカウントで管理しているので、スーパーホストの維持は容易ではありません。
Bookingも基幹店の何変哲もない家は3年連続この水準をキープできました。信じれませんが
これ
https://www.booking.com/hotel/jp/jpreserve-kyotobase.ja.html
が
で
9.7
なんです。信じれませんね・・・
まあ、この話題は今書いてもしかたないので、市場が元気になったときに改めて今後の戦略を書きます!
それではまた!
PS.コロナウィルスや新型肺炎での民泊が取る対策として、Twitterなどで紹介してくださっている方がいると知り合いから聞きました。
そうしようもないブログですが、理解を得られる方もいて、本当にうれしかったです。
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